ご自宅で飼っていた動物が出産した場合は別として新たに動物を家に迎えるというとペットショップ、
ブリーダーより購入または知人から譲り受ける,あるいは外で親もいない状態のところを保護するなど
様々な経緯をとると思います。
いずれまだ生まれて間もないこれから成長していくという子達は非常に弱い生き物です。
本来であればしばらく親兄弟とともに生活していきそこで成長し学んでいくのでしょうが一人前に
なる前に引き取られていくことがほとんどでしょう。
そう言う意味でも不安定な状態であるということがいえます。
よく「家に連れてきた当初はものすごく元気で飛び跳ねていたけど3,4日目あたりから急に元気が
なくなってきた」ということで来院する子犬子猫が多く見受けられます。
チビさん達本人に自覚症状はなくても環境の変化というのは少なからずストレスにはなっていると
思います。
これは衛生的に連れてきた家が良くなかったというものではありません。むしろきれいになった位の
ケースも多いかもしれません。それでも環境の変化ということ自体が大きく影響するのです。
全く何の異常もなく元気に育っていく子も多くいるでしょうけど来院されるのは家にきて1〜2週間
以内で調子を崩す子が多いです。
大人の犬猫さんが一回吐いたり下痢したりしても一過性のものであればそのご体調を崩すことなく
普段の生活のままということも多いでしょう。しかしこれがまだ数ヶ月齢の子達だとそれをきっかけに
脱水してしまったり食べることができず低血糖に陥ったりと体に大きな打撃をうけてしまうことに
なりかねないのです。
あるいはストレスにより免疫抵抗が弱り感染症にかかってしまうということもあります。
犬だとパルボウイルスなどは激しい嘔吐、血液を含む水様下痢を繰り返し死に至らしめる怖い感染症
です。
猫では特に外で保護したチビさんなどには多いのですが猫風邪をこじらせてクシャミ、鼻水、目ヤニ
などがひどく、ときにはマブタがくっついてしまい目を開けられない状態の子も多いです。
また厄介なのは症状が突然出ることが多いということです。昨日までは元気で食欲もあったのに今朝から元気が無いというような感じで異常が判明するわけです。
病気は早期発見が何よりも重要ですが突然となるとそうもいきません。ただ異常が感じられたらすぐ
来院していただくのが一番です。
またよく小さいお子さんのいるお宅で多いのが家にきて間もない子達に過剰に接してしまいその結果
子犬子猫が疲れてしまうということもありますね。確かにこの時期は可愛い盛りで思わず撫でたい、
抱っこしたい、となってしまうのも無理ありませんがなるべくケージで休ませる時間を多くとって
あげたいものです。
ある程度家の方にも順応してきたら混合ワクチン、犬であれば狂犬病ワクチン、寄生虫の検査のための
検便などをしてあげると良いと思います。
また成体にまで成長した時点で避妊、去勢手術をお考えになられては如何かと思います。(避妊、
去勢の必要性については別項に記載されております)→ なぜ避妊・去勢手術をするのか
いずれ各々ケースは様々でしょうから疑問に思ったらお電話でも良いですし相談していただければ幸い
です。
2013年 10月
※上記は当院の方針であり、他院と異なる場合があります。ご了承下さい。