食欲や元気がない、あるいは吐いたり下痢が続くというのであればそれは何か病気なのではないかと思えますよね。
しかし一般状態がさほどいつもと変わらないようだけど最近やたらと水を飲んでその結果おしっこの量も多いな、なんて思ったらばそれも何かの病気のサインなのかもしれません。
この水を多く飲んでおしっこが多くなる、いわゆる「多飲多尿」の症状は様々な病気の症状の一つになる事が多いんです。
多飲多尿単独の症状だけではコレだ!と病気を特定する事はできないのですが、ある程度範囲を絞っていく事が可能になってきます。何よりこの症状が異常かもしれないと飼い主さんが認識してもらうことにより少しでも早く、スムーズに病気を発見できるかもしれません。
海に行って目を離していたら結構な量の砂を食べていた、とかいつもは与えていないオヤツを与えてみたとかの変化があった後も多飲多尿はみとめられますがこれは原因が明らかですよね。
そういう環境の変化に関連するもの意外では、
●慢性腎不全
●肝不全
●副腎皮質機能亢進症(クッシング)
●甲状腺機能亢進症
●糖尿病
●雌の避妊していない子では子宮蓄膿症
●腹水などが貯留している場合の一部
●尿崩症
と、ざっとこれだけの病気が原因となる可能性として挙げられます。
これらはその動物の他の症状、生活の背景、血液検査、超音波検査等の各種検査などをふまえて原因となる病気を突き止めていくわけですが、多飲多尿くらいだと「少し様子をみてみよう」となりがちな傾向があるように感じます。
症状としてはむしろ食欲が増すように感じる病気さえあるくらいです(副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能亢進症、糖尿病など)。
よく「動物は口がきけない」とは言いますが人間のように「なんか気分が優れないな」「だるいな」
なんていう状態の時に動物の場合だと外見で分からないことが多々あります。それだけ病気の早期発見というのが困難な場合が多いのです。
「神経質になりすぎかな?」と思ってしまう飼い主さんも多いようですが何も悪い事は無いと思い
ます。
病院で診察を受けて特に異常がみられなければ、それはそれで結果オーライですね。
2013年 10月
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